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♪ 知りたい・見たい・聞きたい・やってみたい・こうなった!

小6の夏休み~(12)

夏休みが来た

お母ちゃんに手をつながれてお母ちゃんのお兄さんの所へ一緒に行くことになった、山口県の小野田市だという、いつも肩身の狭い思いで過ごす僕を察してくれたのだ。

蒸気機関車に乗った、動き始める時にシュッシュッと下から水蒸気を出しながら汽笛を鳴らす、ゴトンゴトンと音とともに動き出した、やがて列車の窓から田畑や山々の景色が見え走っては遠ざかってゆく、去りゆく風景を首を左右に振り振りながら魅入る・・

夏だし風を仰ぎたいと窓を開けると、石炭を燃焼した煙とともに粉塵のカスが眼の中に入ってきた、目が痛いので指でこすると眼中に入った粉塵つぶで又痛くなった、そうこうしているうちに関門海峡の海底トンネルだ、通過中にはひんやりとする。

やがて列車は小野田駅に着いた、駅からバスで20分ほどだった、山間の道路で降りて小さなデコボコ道の坂を10分程下って行った。

藁葺き屋根の農家に着いた、そこにはおじいちゃん、おばあちゃん、おじさん、おばさん、年上の男子が二人、年下の男子が三人に女子が一人の大家族だった。

小さな山の中腹にある家からは160度に広がる田園風景が一望できた、山があり湖もある、牛がいる・ヤギがいる・鶏もいる・・

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おじさんは子供達には放任主義で危険な遊びをしないように注意をするだけで、あとはほったらかしだ、仲間に飢えていた僕はすぐにいとこが大好きになった・・

ここでは朝から晩まで好きなだけ遊べるんだ、実家とは真逆でまさに天国だった、蝉がミンミン・ワシーワシー・ジ~ジ~と元気よく三重奏の如く歌いだす・山にはカブトムシ・クワガタ・綺麗な模様をしたカミキリムシがいた、小川には鮒・ウナギ・ゲンゴロウや色々な生物がいる、みんなで魚とり遊びにハシャギ廻って楽しくてしょうがない・くたくたになるまで湖で泳ぎまくった。

遊び疲れて草むらに寝ころび空を見上げれば、視界に拡がる青空に太陽がサンサンと眩しく輝いて眼がが痛いほどに、、ここでの夏休みは正夢だった・・これは中学三年まで続いた。不憫な生活があったからこそ楽しみも喜びもひとしおに感じた・・・

 

10月だった、運動場で全校生徒の朝礼中に今までに感じた事のない視線を感じた、僕を睨みつけてる、それも憎しみがこもった視線で睨み続けてる、知らない同学年の生徒のようだ、朝礼が終えるとそのことはすぐに忘れていた、ところが後日に廊下を歩いていると待ち伏せをしてるかのように突っ立て睨みつけてくる、、

何なんだろう・・話をしたこともないのに、気にしないことにしたが、なんと憎たらしいやつなんだと感じてきた、三度目に合った時にその思いは増した、、あっ又いる、憎たらしいやつが待ち伏せをして睨みつけくる、、

6度目だった、階段を上がると待っていたかの様に立っていた、周りには誰もいなかった、いきなり拳を握って殴りかかってきた、アッと、思った瞬時に反撃に変わった、

バタバタッと殴り合い取っ組み合う、上に成ったり下に成ったりで子供の喧嘩は必死のパッチだ、上になり殴ろうとした時だった、ジリリーンとけたたましい音が頭上から鳴り響いた・始業のベルだ・即座に止めて教室に戻った。

教室に戻るとそのことは頭にはなかったが、何故かその後に二度と顔を合わすことはなくなった、、

生涯これ以上に憎たらしいと思えた人に出会ったことがない、多分この時に卒業させて貰えたんだろう~、、

 

12月に夕刊の新聞配達を始めることにした、二度目のアルバイト・これは半年続けられた、このお金で魚釣り道具を買うことにしよう・・とにかく家に居たくない、恐い義父の視線から逃れたい・毎日が恐くてしょうがない・脳裏にはこの一心しかなかった。

バイトして3か月目に釣り道具を買った、これで遠くへと行けるぞ~、待ちに待った日曜日がやって来た、早起きして朝食も取らずに前日に買って置いた釣り餌と道具を背負って出かけた・・ワクワクする・・

朝一番のバスに乗って港に着いた、港のお店で初めて自分で買ったあんパンを食べた・おいしい・そして防波堤についた、、餌を針にさして海に投げ入れた~

なんという解放感だ~、生きた心地がする、みんな忘れられる、全て忘れられる、自分だけの時間だ、、嬉しくてしょうがない・・海と波と船を眺めつつ、

ウキの動向を見ながら・・幸せだった・・

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