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♪ 知りたい・見たい・聞きたい・やってみたい・こうなった!

お母ちゃんありがとう(11)

 

僕が家業を手伝うようになったのは5年生の頃から・・トラックで積んできた合金や鉄を投げ降ろした際には散乱する、次の荷降ろしのために置き場をつくっておくようにと義父の指示でやるようになった・・

次の荷降ろしの時に整頓されているので仕事がやり易い、荷降ろしをする従業員は義父がやってくれてると思っているようだ、まさか小5の子供がこんな重いモノを・・とは考えなかっただろう・・義父は手を汚さない人だった・・

 僕は一度もお小遣いを貰ったことがない、誕生日のお祝いも知らない・・欲しいモノはあったが、みんなが持ってるモノを持っていない、みんなの話を黙って聴いていた、買うにはお金がいる、新聞配達や納豆売りをやればお金が貰えると同級生に聞いたので納豆売りの販売をしてるところを探して見つけた。

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小五の冬休みが初めてのバイトだった、肩紐で担ぐ小さな台の上に納豆とおきゅうと(博多名物/天草等の海藻/加工品)を乗せて、

 精一杯に声を張り上げた ”おきゅうとに納豆” を連呼する、二日目は全部売れた、と言うより僕んちには9人が食事を取っている、義兄がおかずに食べようと20個中・14個の売れ残りを食べることに、完売になったのだが・・喜び勇んで販売所に戻る途中で中学生に呼び止められ・盗まれてしまった・・販売所の人に云われた・・もう来なくてもイイと・・

お母ちゃんは僕を可愛がる暇がなかった、小4の時に一人目の弟、三年毎に二人・三人と弟が出来た、又、義父の前妻の都合とかで息子が一人、そしてまた一人と三人が戻ってきた、家には9~12が居る、僕だけをかまうことはできないのは自覚できている、おまけにお母ちゃんは以外はみんな男、力仕事で汚れた洗濯物を手洗いする、掃除もする、食事の用意も一人でやる、休む暇もなく働きずくめの日々を送っている、

僕は弟の子守をする、一人が育つと次の赤ん坊の子守だ、ある時は疲れて昼寝をしてる時に蹴とばされ昼寝もできない、こんなんでは近所の子と遊ぶ暇がない、それでも隙を見ては遊びに行くのだが・・子供にとってこれが一番辛いかった、

お母ちゃんはお金も自由にならなかった、義父がお金を管理する、この頃には酒屋・肉屋・米屋とかが配達をしてくれるようになって、みんなツケ払いになっている。

 

小6が始まったころ、お母ちゃんがおいでと二階の部屋に連れて来られた、右手に持っていた紙に包んだモノを脇に置き、お母ちゃんは言った、ここに居てもこの先希望が持てない・一緒に死のうと・僕を刺して、そしてお母ちゃんも死ぬから・・お母ちゃんは嘘をつかない人だし信頼してる、だから恐怖心は湧かなかった、お母ちゃんと一緒なら死んでもイイと思った・・どうする?・・と聞かれ・

余り考えることはなかった、言った

・せっかく生まれて来たんだからもっと人間やりたい・と答えた、、苦しい痛みを耐えてきたことが無駄になる・・生き抜いてやらなきゃ・・そのようなことが頭をよぎったのだろう、、

次の日に学校から帰るとお母ちゃんは掃除をしていた、その表情はハツラツとほくそ笑んでいる、こんな顔見たことがない、嬉しそうだ・僕も嬉しかった、、

お母ちゃんは自分の事はどうでも良かったのだ、僕に生きる意志と希望があると知って吹っ切れたのだ、良かった!

梅雨時だった、学校からの帰り道に一緒に帰ろうよと女子の声が後ろから聞こえた、振り向くと男子1と女子3人がいた、僕は学校でも喋ることはない、日常の恐怖心でそんな余裕なんてなかった・・だが初めて声をかけられて嬉し恥ずかしい気分がした、

ところが200メートルも歩いた時点でいきなり声高に男の子が、こいつの靴破れてるぞ~こいつの靴破れてると僕の靴を指差しながら、ほらみんな見ろ見ろと面白がって何度も叫ぶ・・この時に生まれて初めて怒りを憶えた・・血が登った、、気がつけば、その男の子をぶん殴っていた。

家に帰って一時間も経たなかった、男の子を連れだった母親が血相変えて入って来た、転んで手に擦り傷もできた、どうしてくれるの~、

突然のことでしどろもどろに対応するお母ちゃんは正座をしてひたすらに謝り続ける、ごめんなさい、ごめんなさい、申し訳ございません、と、同じ言葉を何度も何度も繰り返す、他の言葉は一切なかった、ただ謝るのみ、、

その姿を見て、同じように頭をもたげて座った、20分位が経過して、、帰って行っってくれた、

どうしてそんなことをしたの・お母ちゃんが言った、

みんなの前で破れた靴を笑いものにされたんで、我慢ができなかった・と答えた、叱られることはなかった、妥当だと感じたのだろうか、、

その二日後の朝だった、学校へ行こうと玄関をを見ると、真新しい靴が置いてあった・それは光り輝いて眩しく目に映った

・・お母ちゃん・有難う・・ 

今でも おいらの靴は長持ちをする、この時に考えたんだ、どのように歩けば靴が傷まないかと、、結果・おいらの歩き方はスマートなんだー

 

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